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西研コラム

〈第1回〉あなたはフーリガンですか? 


2017年8月30日

サッカーのワールド・カップ南アフリカ大会が 6 月 11 日に開幕した。テレビや新聞では、日本が出ていない試合までも詳細に報じていて、あの比較的冷静と思われる(?)NHK でさえ大騒ぎしている。日本人の関心が高いからなんだろうなあと私は思った。だが、待てよ、「マスコミが一斉に声を揃えて発言しているときは眉に唾をつけろ」というのが私の日頃のポリシーだった。というわけで、ちょっと調べてみました。

 

社団法人・中央調査会というところが今年の 4 月 2 日~12 日にアンケート調査を行い、20 歳以上の男女 4000 人から 1315 人の回答を得たが、意外な結果が得られている。「まったく関心のない人」と「少ししか興味のない人」を合わせると 54.5% にもなるという(「分からない」と回答した人まで含めると、ほぼ 6 割になる)。逆に、非常に関心があるという人は 10.4% しかいない。たった 1 割の人のためにマスコミはあれだけの大サービスをしているのか?

 

大リーグで活躍している日本人選手に目を転じると、どんなスポーツ・ニュースもいつだってエンゼルスの松井選手の話題がトップにくる。これまた NHK でも同様ですね。5 月 25 日の朝日新聞朝刊によると、アメリカのスポーツ記者たちが驚いているのは、松井には常時 30 人くらいの日本人記者が常に張り付いているのに対し、イチローにはそれが 5 人程度しかいないということだそうだ。誰が見たって、大リーグにある種の革命をもたらした日本人選手と言えば、イチローをおいて他にはいないでしょう。実績や記録がそれを物語っている。それなのに、日本のマスコミはいつも「松井、松井」と声を揃えている。これじゃあ、野球音痴の人は、松井こそ日本を代表する大リーガーだと思ってしまう。

 

マスコミのこういう奇妙なエコヒイキは、国内の野球選手についても同じ。長嶋と言えば、マスコミは不世出の天才のごとく扱っているが、生涯成績を見てみると、超一流とは言い難い。通算試合 2186 試合(歴代 23 位)、通算打率 0.3052(歴代 14 位)、通算安打 2471 本(歴代 7 位)、 通算本塁打 444 本(歴代 12 位)、通算打点 1522 打点(歴代 7 位)。つまり、彼より上の選手がたくさんいるってことです。

 

このように、マスコミはおかしな世論作りをする傾向が強いと言わざるを得ない。サッカーや野球の話なら、まあ大した問題にはならないかもしれないが、たとえば、環境問題となると看過できないケースが出てくる。ひと頃、「ダイオキシン」「環境ホルモン」を問題視する大合唱がマスコミに起こったことがあったけれど、最近ではまったく聞かなくなりましたね。二つとも、健康にはほとんど影響なしという見解が大勢を占めるようになったからです。環境ホルモンにより男がどんどん女性化してしまうなどと、よくもまあ与太を飛ばしてくれものです。

 

最近では、「地球温暖化」と「炭酸ガス」という言葉がマスコミに毎日のように登場している。いつものように、眉に唾をつけて考察した結果、私は 5~6 年前から、地球の温度上昇と炭酸ガスは関係ないという理論に与するようになった。最近になって、IPCC の発表するデーターは都合の悪い事実を隠したり、恣意的に捻じ曲げたりていると指摘されるようになっており、私などは先見の明があった(?)なあと自画自賛しているくらいです。ここで炭酸ガス無罪論を詳細に述べる余裕はないが、私は地球温暖化ではなくて、枯渇が懸念される化石燃料を大切に使うという視点から炭酸ガス問題を論じなければならないと考えている。化石燃料を使えば使うほど炭酸ガス排出は増えるわけだから、その指標として炭酸ガス濃度を考えるべきでしょう。

 

従って、EV や HEV の開発は、地球温暖化防止のためではなく、化石燃料の使用を抑えるという視点から評価すべきでしょう。EV といえども、充電に電気を使い、その電気は化石燃料に頼って発電される部分が現在のところ多いのは確かだから、EV にすればすべてが片付くというものではないが、EV なら燃料の選択肢が広がるから、化石燃料の使用を抑えることができる。 日本はアメリカなどとは異なり、すでに鉄道網や長距離バスなどの大量輸送手段がかなり整備されていて、これらは一人当たりの輸送に要するエネルギーが少なくて済むのだから、長距離の旅行は新幹線などの鉄道や長距離バスを使うべきだと思う。オバマ大統領がアメリカに高速鉄道網を整備しようという政策を打ち出しているのは、このような背景を考慮した上で、車社会からの脱出を図りたいからだろう。

 

日本では、高速道路をタダにしようなどという政策が論じられているけれど、鉄道よりも輸送エネルギー効率の悪い自動車を推奨するという奇妙奇天烈な策ですね、これは。だって、例のETC 車の高速道料金を 1000 円にしたために、車からの炭酸ガス排出量は 4% も増えたんですよ。つまり、化石燃料の無駄遣いをしてしまった。無料化にしたらもっと状況は悪くなることは必至。

 

コミューター・カーのような近距離輸送手段として EV を考えるべきだと私は思うのだが、EV は動力源である電池を自身のエネルギーで運ぶことになるから、電池が軽ければそれだけ無駄なエネルギーを使わなくて済む。それ故、電池の性能を向上させ、エネルギー密度を大きいものにしようという開発努力は続けなければならない。


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