ほとんどの人が「脱炭素社会」実現への活動を行いたい?
「気候変動に関する世論調査」の結果、約9割の人が「脱炭素社会」実現に向けて
取り組みたいと回答しています。組織活性化に役立つ可能性も高いでしょう。
背景
最近テレビのCMで「脱炭素」は認知度が9割などを耳にすることがあると思います。認知度は高いが「脱炭素社会」実現に向けて取り組みたいと考えているのでしょうか。CMでの調査については判りませんが、実は、2025年9月に内閣府が実施した「気候変動に関する世論調査」 の結果によると、図1のように「脱炭素社会実現に向けて取り組みたい」と答えた方は89.2%でした。

図1. 脱炭素社会の実現に向けた取り組みへの意欲
(出典: 内閣府政府広報室「気候変動に関する世論調査」(速報))
この調査は、全国の国民を対象に、無作為抽出郵送調査にて行われたものです。皆様は一般の方が脱炭素社会実現に対して、このように意識が高いと思っておられたでしょうか。「取り組みたくない」と答えられた方の理由も、「地球温暖化への対策としてどれだけ効果があるのか分からないから」など、脱炭素社会実現を否定しない理由が多いです。
脱炭素経営に関して、経営者に対しての提案をためらっておられる方もおられるかもしれませんが、ためらう必要はないのでないでしょうか。また、脱炭素社会の実現に向けた取組み実施が、多くの方の共感を得られるならば、組織力の強化に活用することもできるかもしれません。
「気候変動に関する世論調査」の結果
この調査の対象は下記となっています。
- ・母集団 全国18歳以上の日本国籍を有する者
- ・標本数 3,000人、有効回答1,818人
- ・抽出方法 層化2段無作為抽出法
脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行いたくないと答えた方の理由については、
図2のように実施を否定するような回答は、ほとんどありません。

図2. 脱炭素社会の実現に向けた取り組みを行いたくない理由
調査項目は、「脱炭素社会について」以外に、「気候変動問題について」、「気候変動影響について」および「熱中症予防について」の計5項目行われています。
気候変動が引き起こす問題に関心があるかについても、「関心がある」と「ある程度関心がある」の合計は91.5%です。これは、前回の調査結果と比較してみると、89.4%から91.5%に上昇しています。
脱炭素社会への行動を組織活性化への活用
脱炭素社会の実現に向けた取り組みは、社会から望まれており、自組織の多くの従業員も、脱炭素社会の実現に向けた行動をすることを望んでいます。一方で企業では、リモートワークの普及によりコミュニケーション不足や組織の多様化によりエンゲージメントの向上が求められています。そのためには組織の活性化が望まれますが、脱炭素社会実現に向けた事業活動は組織活性化に役立つことが考えられます。
脱炭素社会実現に向けた行動が、組織活性化に役立つ点を下記に示します。
組織内では社員は、様々な異なる業務に従事していますが、すべての社員が共通のビジョンに向かうためには、ビジョンを共有し浸透することが必要です。前述したように多くの社員が取り組みたいとものであれば、社員が共感し自分の課題として捉え行動することが可能です。
②役割の明確化
組織の温室効果ガスの排出量を明確にし、削減目標と削減施策を策定することにより、各自の役割が明確になります。
③適切なコミュニケーション
各自の行動の状況を共有し、組織全体の目標達成度を共有することにより、適切なコミュニケーションを行うことができます。
④社外へのアピール
脱炭素社会実現に向けた企業の取り組みは、社会から評価され、組織の活力を向上させます。
⑤社員のモチベーション向上
所属組織が社会から評価されることは、社員自身も社会に貢献している意識が高まりモチベーションが向上します。
また、最近は自らの価値観を重要視する社員が増加しています。共通の価値観に基づく脱炭素社会実現に向けた活動は社員のモチベーション向上に寄与します。
まとめ
企業が脱炭素社会の実現に向けた取組みを実施することは、多くの方の共感を得られます。合わせて組織活性化に役立つことができるでしょう。
なお、脱炭素社会実現に向けた業務は、社員のすべての関与が効果的ですが、社員すべてが大きな工数を要するものではありません。社員によっては省エネに心がけた行動をするだけの方、脱炭素ソリューションの開発など全面的に脱炭素社会実現に向けた業務を行う方など、その企業によって、どの程度の工数をかけるかは大きく異なります。
