平成9年度の環境省重点施策
環境省の概算要求は増加しており、まだ予算として確定したものではありませんが、
内容も投資枠の新設など変化する部分があります。
背景
各省庁の平成9年度概算要求が8月末に財務省に提出されました 。今後は財務省との復活折衝等が行われ政府案が決定し、その後に国会審議後来年度予算が確定します。
環境省の重点施策のコアミッションは令和8年度と同様に「時代の要請への対応 (持続可能な成長の推進)」と「不変の原点の追求(⼈の命と環境を守る)」です。概算要求額は総額1兆1,451億円(さらに提示されていない事項要求が加えられます)と高額になっています。
重点施策の方向性
重点施策の方向性としては、政府方針の「成長投資」「危機管理投資」「暮らしの安全安心」を受けた環境政策としています。新たに示された重点施策の柱建ては表1のようになっており、『「強く豊かな日本」投資枠』など特徴的なものが示されています。
表1.令和9年度重点施策の柱建て
[1]循環経済(サーキュラーエコノミー)
[2]気候変動対策(緩和、適応)
[3]⾃然再興(ネイチャーポジティブ)
[4]環境政策の国際展開
[5]科学技術・イノベーション、⾦融等
2.⼈の命と環境を守る
[6]安全・安⼼
[7]東⽇本⼤震災からの復興・創⽣等
3.「強く豊かな⽇本」投資枠
4.地⽅環境局での取組
5.財政投融資要求・税制改正要望
6.機構・定員要求
概算要求額
概算要求額は総額1兆1,451億円+事項要求で、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計額が1兆586穏円と約8%増です。その内で新設された『「強く豊かな⽇本」投資枠』が5,556億円+事項要求となっています。
事項要求は、具体的な金額を示さず、施策の項目だけを挙げて要求する方法です。金額は概算要求額には含まれていないので、予算総額は増加し、予算編成過程で詰められます。
表2.令和9年度環境省概算要求額(単位:億円)
| 令和9年度概算要求額 | 令和7年度補正予算額と 令和8年度当初予算額の合計 |
|
|---|---|---|
| ⼀般会計 | 3,828 +事項要求 |
3,642 |
| エネルギー対策特別会計 | 5,154 | 4,862 |
| 東⽇本⼤震災復興特別会計 | 2,470 | 2,082 |
| 合計 | 11,451 +事項要求 |
10,586 |
再資源化事業推進のための金融的手法の導入
今回の概算要求で特徴的なものとして、循環経済(サーキュラーエコノミー)の中に、新規で再資源化事業推進のための金融的手法の導入があります。
事業目的は、「再生資源供給に資する設備導入等に対する民間融資の拡大に向けて、民間金融機関が行う資源循環分野に対する融資への利子補給や債務保証を行うことで、資源循環分野に対する投融資を促進する。」となっています。利子補給や債務保証が行われ、予算は新規で105億円を要求されています。債務保証については、基金を造成するとされています。
補助⾦・基⾦の⾒直し
令和9年度予算の概算要求に当たって、これまでの補助⾦・基⾦の⾒直しが進められ、「補助⾦・基⾦の⾒直し状況 」が環境省から提示されています。
政府与党提言、財務省の予算執行調査結果及び行政レビュー等をインプットとして、それに対して次のような対応が示されています。
| 提⾔等
→
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対応の⽅向性 | |
|---|---|---|
| 太陽光発電設備 | 国の補助⾦については、地域共⽣や産業競争⼒強化の観点から重点化を⾏う。 | 産業⼒強化の観点からペロブスカイト太陽電池等の次世代型太陽電池への⽀援の重点化を図る。 |
| 電気⾃動⾞ | 国の補助⾦については、環境性能だけでなく、産業競争⼒の観点からの重点化などの⾒直しを⾏う。 | 産業⼒強化の観点からこれまで以上にメリハリを付けて評価を⾏う。 |
| 循環経済への移⾏ | 設備投資への補助⾦のみならず、官⺠ファンドや⺠間⾦融機関の投融資の促進などの⾦融的⼿法も検討する。 | 補助⾦に加えて、利⼦補給制度の新設、債務保証機能の強化やJICNの出融資機能活⽤といった⾦融⽀援を盛り込む。 |
| ⼀般廃棄物処理施設の整備 | 各⾃治体の連携による広域化・集約化やPPPの活⽤などの官⺠連携の取組を進める。 | ⾃治体と⺠間の廃棄物処理事業者等の官⺠連携の取組を新たに⽀援対象にすることを盛り込む。 |
| 技術開発関連基⾦ | 厳格なステージゲートを適⽤し、⼀定期間ごとに資⾦配分を反映。あわせて、保有残⾼等の「⾒える化」を⾏う。 | 新たに基⾦を要求するスタートアップ向け補助⾦について、補助事業の成果を適切に検証し、事業の透明性を確保する。 |
| 基⾦の整理・統廃合 | 不要な資⾦は速やかに国庫返納を⾏う。また、基⾦設置法⼈等の運営・執⾏を適正化する。 | 不要な資⾦は速やかに国庫返納を⾏う。また、基⾦の運⽤状況等がより⾒えやすくなるような情報開⽰をレビューシートで⾏う。 |
| 住宅 | 住宅補助の恒常化は、いわゆる「補助⾦慣れ」を招くおそれ。また、政策の公平性や効率性の観点から課題あり。 | 補助額を漸減するなどの⾒直しを実施してきた。今後も補助額の⾒直し等を随時適切に⾏う。 |
| ⼆国間クレジット制度 | ⺠間資⾦を中⼼としたJCMへの移⾏を進め、補助⾦による⽀援を真に必要ものに限るべき。 | ⺠間JCMを拡⼤し、⼤規模な排出削減・吸収・クレジット発⾏が⾒込まれるプロジェクトへの伴⾛⽀援を軸とした予算にシフト。 |
| 浄化槽システムの脱炭素化 | 浄化槽システムの脱炭素化 pCO2⼀律46%削減という要件が⾜かせにならぬよう、市場実勢に合わせた柔軟な補助率等を検討すべき。 | 46%未満でも⼀定程度以上の省エネが図られる設備に対しては、補助率を段階的に設定し、⽀援対象とする。 |
詳細としては、例えば太陽光発電整備に関しては、「導⼊費⽤が⼤きく減少してきた従来型の太陽光パネル(シリコン型)は令和9年度から新たに実施する補助事業の補助対象外とする」となっています。また、「⼯場や事業場の 省エネ設備導⼊を⽀援する事業等における再エネ設備導⼊の⽀援メニューを廃⽌し、再エネ設備導⼊を⽀援する事業に⼀本化する。」とされています。
今後について
令和9年度予算は、今後、財務省との折衝や国会での審議で決まっていきます。環境省の事業委託や補助金等にも関わってきます。今後も注意して見ていきたいと思います。
[i] 令和9年度環境省重点施策000426125.pdf
[ii]再資源化事業推進のための金銭的手法の導入000426263.pdf
[ii]補助⾦・基⾦の⾒直し状況000425987.pdf
